◆The Words Never Return 帰らざる言葉◆

不機嫌なときには、ひどい言葉を使わないようになさい。

あなたの機嫌を良くする機会は何度も訪れますが、

あなたの言葉を取り戻す機会は永久に訪れないのですから――。

~キャロン・ウォデル~

【解説】 「ひどいこと言っちゃた!」「言わなきゃよかった!」という経験、あなたもあるでしょう? “ひどい”と訳した原語cruelクルーエルには、“残酷な、無慈悲な、邪険な、つらく当たる、容赦のない”という意味があります。私事ですが、妻が亡くなる2週間ほど前、彼女は風邪で寝込みました。もろい気管支が切れて血痰を出し、37度台を上下する体温に一喜一憂しながら数日を過ごし、やっと下がってほっとした夕食時に、「寒気がする」と言ったのです。私は、思わず、「また? もう聞きたくない!」と声を荒げてしまいました。けれど悲しそうな彼女の顔を見て、はっとしました。つらさを訴え、頼る相手は私しかいないのに、その私からの思いもしなかったろう“ひどい”言葉にどんなに傷ついたか! その時は謝ったのですが、一度発して彼女が聞いた言葉は、決して消すことはできません。彼女が忽然と私の前から消えた時、至らなかったこと、愛のなかったことばかりが思い出され、この時のことも「なぜあんな“ひどい”ことを!」と泣きながら後悔しました。今も、思い出すたびに涙に暮れます。妻は赦してくれたと思います。神様ももちろん、悔い改めた者を受け入れてくれたと信じます。でも私は、決してこれを忘れず、彼女との天の再会に携えていきたいのです。この地上にある間、これからも愚かであり続ける自分自身への最大の戒めとして――。

Don’t use cruel words when you are in a bad mood. You will have many chances to change your mood but you’ll never get the opportunity to take back your words. – Karon Waddell (by Prosperity Mindfulness)