◆周りが変わらないときは◆

状況を変えるすべがもはやないときは、

私たちは自分が変わるように迫られているのだ。

~ヴィクター・フランクル~(写真右)

【解説】 この言葉を残したのは、あの「私の隠れ家」の著者コーリー・テン・ブーム女史と共に、ナチス・ドイツの強制収容所から奇跡的生還を成し遂げたオーストリアの精神科医で、「夜と霧」の著者です。彼の置かれた状況は、全く脱出の余地のない絶望的なものでした。20世紀の負の遺産として、この地上に現出した生き地獄の中では、生きる希望を失った人々から先に、毎日何十、何百という人が、ガス室を待たずとも死んでいきました。その中で、彼を解放の日まで支えたのは、冷たい獄房の壁を眺めながら芽生えた、「私は絶対に生きてここを出る」という強烈な生への意志でした。環境ではなく彼自身の心が変えられたのです。信仰の目で見れば、それは神が彼を生かされたということです。彼は自由の身となってから、92歳の長寿を与えられ、人間の罪のおぞましさを、冷静かつ詳細な医学的資料と共に、後世に伝える役割を果たしたのでした。

私たちも時として、思いどおりにならない周囲や環境を変えようと色々試みます。けれども実はその時、私たちは“自分が変わる”ようにと、神様に求められているのです。

When we are no longer able to change a situation, we are challenged to change ourselves. – Victor Frankl (by Thinking Positive)