◆第一コリント13章に寄せて◆

―愛は癒やす!―

愛は私たちの内にあります。

それは滅ぼすことはできません。

無視することはできます。

私たちが愛を捨てるとき、その捨てる度合いまで、

私たちは愛に見捨てられたと感じるのです。

人間の問題の唯一の原因は、愛を否定することであり、

愛をしかと“抱きしめる”ことが、問題への唯一の答えです。

愛は癒やし、赦し、全てを完全にするのです。

~アーネスト・ホームズ~

【解説】 愛に関するあまたの定義の中で、これはまた、ユニークな、でも深く肯定させるものを持った言葉ですね。著者は、20世前半に活躍したアメリカのスピリチュアル思想家、作家、教師、指導者です。これを、クリスチャンの視点から少し考察してみましょう。

プロローグ: み言葉を1つ思い出しましょう。

(Ⅰヨハネ 4:7,8) 「愛する者たち。私たちは、互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ、神を知っています。愛のない者に、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです。」

①まず「愛の内在」について(上記日本語訳1,2行目): 私たちは、神様を信じた時に、“内に愛を宿した”のです。ですから、愛を滅ぼすことはできません。私たちが滅びても、愛は永遠に滅びることはありません。神が愛そのものだからです。

②次に、「人間の罪と愛」の関わりについて(同じく3-5行目): 愛を内在する人間に、大きな問題が生じました。神のように賢くなろうとした人間の堕罪です。人は、この神の愛をも、他者を支配する道具に変え、欲望の赴くままに愛し、欲望の褪せるままに愛を捨てました。けれども、きれいさっぱりと、なんの良心のとがめもなく、はるか遠くまで愛を捨て去ったはずが、その捨てた度合いが大きければ大きいほど、人間の心には、なんとも言えない虚しさ、寂しさ、孤独感が襲ってきたのです。人が愛を捨てるということは、本当は己の創り主であり、愛そのものである神に見捨てられることなのです。

③最後に、「人生のトラブルと愛による解決」について(同じく6,7行目): 人生にトラブルはつきものですね。ある人が、「人は、”寄らばつまずかん”と構えて生きている」と言いました! 著者は、迷うことなく、“諸悪の根源”は、“愛の否定”だと言い放ちます。そして、全ての問題の唯一の解決源は、“愛の抱擁”だと言うのです。これは愛する男女が固く抱き合って終わる恋愛映画のタイトルではありません。“愛を”抱擁する=“愛”を全ての問題の究極の解決手段として受け入れ、クモの巣のように絡み合った状況の全てを“愛”に委ねるということです。

エピローグ(同じく最終8行目): 最後もまた、み言葉です。

(箴言 10:12/Ⅰペテロ4:8) 「憎しみは争いをひき起こし、愛はすべてのそむきの罪をおおう。」

(コロサイ 3:14) 「そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全なものです。」

いかがでしたか? 愛の冷えていく終わりの時代に(マタイ24:12)、私たちは、「これより大いなる愛はない」と言われ、それを身をもって示されたお方の愛の内に生かされています(ヨハネ15:13)。十字架の上から、このお方の呼びかける声をご一緒に聞きませんか? 「あなたも行って、同じようにしなさい」と――(ルカ10:37)。

Love Heals!

Love is within us. It cannot be destroyed. It can be ignored. To the extent that we abandon love we will feel it has abandoned us. Denying love is our only problem, and embracing it is the only answer. Love heals, forgives, and makes whole. ~Ernest Holmes (by Open Heart Musing 2)