◆クリスマス霊想(16)◆

―キリストの謙卑を想う―

 

み子は、ご自身がお創りになった母の中で、

 かたちづくられた。

 み子は、ご自身がかたちづくった人間の手に

 引かれて歩んだ。

 み子は、言葉を知らぬ幼子として、

 飼い葉おけの中で泣き声を上げた。

 み子、この“ことば”なる神――。

 このお方なくしては、

 人間の全ての雄弁はただ黙(もだ)すのみ。

    ― アウグスティヌス

 

【解説】この4世紀の偉大な教父の深遠な言葉に、しばし思いを馳せ、天の栄光を捨てて、人として地にくだりたもうた神のみ子をひれ伏して仰ぎましょう。主よ、感謝します。

 

(ヨハネの福音書1:1-5,14) 「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。この方は、初めに神とともにおられた。すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。…ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。」

(ピリピ 2:6-8) 「キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました。」

 

He was created of a mother whom he created He was carried by hands that he formed. He cried in the manger in wordless infancy. He, The Word, without whom all human eloquence is mute.

~Augustine~