◆真実の人間関係を築くために◆

1.《境界線を確保する》

私は、自分の個人生活を静かに守ります。

だから、“あなたを知ってる”なんて思わないで。

“ここまでは”という私を知ってるだけなんだから。

【解説】 どんなに親しい間柄でも、踏み込んではならない”境界線(領域)”というものがありますね。まずあなたが、自分自身の存在を乱されないように、それを守ることです。それは、生きるよりどこになっている信条や信仰も含め、人間の尊厳に関わることです。そしてもちろんのこと、相手の人の境界線も尊重して待ちましょう。愛するゆえに、どんなに知りたいと思っても、その人が、あなたを受け入れ、それを少しずつ広げてくれるまで――。

I keep my personal life quiet, so don’t think you know me. You only know what I allow you to.

 

2.《現代の“偽善者”たちに惑わされない》

ウソをつき、誰かの信望に泥を塗りながら、自分をよく見せようとする人には、もううんざりです。

みんな、嫉妬心から出ているのです。

中でもサイテーなのは、真実を確かめるための努力もせずに、彼らを信じる人が、一方にはいるということです。

【解説】 う~ん、痛烈! でもこれが、人間の罪の偽らざる実態です。かつては前者の一人だった私たちも、イエス様の十字架で救われ、表立っては(!)この罪は犯しません。けれども、“嫉妬心”を軽く見てはいけない。人間関係を阻害する罪の中で、キリスト者が犯す最大の罪はこれなのです! この思いが頭をもたげたら、その場で十字架を仰ぎ、主の血潮で聖めていただかなければなりません。そして後者。原著者は、worstワースト、これが「最悪」「諸悪の根源」と言っています。クリスチャンは基本的に“信じる者”、悪く言葉を換えれば“お人好し”です。真実を確かめようともせず、いとも簡単に人を信じてしまいます(私のことです!)。その陰で、誰かが、おとしめられ、信望を失ってしまったら、信ずべき人を信ぜず、信じてならない人を信じたことで、二重の罪を犯すことになります。“真実”は一つだけ。それを探し求める努力と、正しく知る知恵を、神様に祈らなければなりませんね。

It sickens me that there are people who lie and make themselves look good while they destroy someone's reputation... all because they're jealous. And the worst part is there are other people who believe them without bothering to find out the truth.

 

3.《相手の感情を大切に》

他者(ひと)の感情をリスペクトなさい。

それがあなたには意に介さないことでも、

その人には、全てが懸かってるのですから。

【解説】 ”リスペクト”という片仮名外来語が、かなり浸透してきましたので、そのまま使ってみましたが、言うまでもなく、「敬意を払う。尊重する。尊敬する」という意味ですね。皆さんの人間関係(友、夫婦、職場…)のつまずきの原因を、胸に手を当てて考えてごらんなさい。原因は、ほとんど100パーセント、これです! 男女の考え方の違いもありますね。亡き妻と暮らした半世紀、その違いが分からなくて、何度もぶつかりました。「なんでそう考えるわけ?」と。そしてやっと、晩年の数年で(遅い!)、こう考えられるようになりました。「私には分からないけど、妻が怒ってるということは事実で間違いない。この事実をそのまま受け止めて、ともかく謝ろう。そしてどこが違ったのか、相手の気持ちで聴いてみよう」と。他者へのリスペクトは、自らへの謙遜と正確に比例します。そして他者へのリスペクトは、相手の人を、理解できない部分も含めて、100パーセント、丸ごと受け入れる“愛”と表裏一体なのです。イエス様が、こんな自分をありのままで受け入れて下さったように――。

Respect people's feelings. Even if it doesn’t mean anything to you, it could mean everything to them.

 

【FBギャラリー】No.99 リチャード・ジョンソン「午後の憩い」