◆立ち止まって考えたい人生の真実◆

1.《賛美と黙想で生きるパワーを》

もし手元に“音楽”がないときは、“沈黙”がある。

そのいずれにも、パワーがあるのよ。

~ジョーン・バエズ~

【解説】 あの「ウイ・シャル・オーヴァーカム(勝利を我らに)」で知られる、アメリカ・フォーク音楽界の女王の言葉です。(ちなみに彼女は私と同じ年、78歳です。)マーティン・ルーサー・キング牧師とも手を携えたクリスチャンでもある彼女は、この言葉の本当の意味を知っていたと思います。“沈黙”と訳したsilenceには、「静寂、黙祷」という意味もあります。すなわち、この言葉を信仰的に読み替えれば、「賛美、そして黙想、そこから神様の力を頂きましょう」ということです。私はこの2月から、半世紀ぶりに独りの生活に戻りましたが、今、とりわけ彼女の言葉の確かさに浸っています。あなたも、忙しい毎日の中で、ぜひこの時間をつくり出して、上からのパワーをもらってください。

If you don’t have music, you have silence. There is power in both. – Joan Baez

 

2.《貧乏は罪ですか? ネバー!》

金(かね)が偶像になるところ、

貧しきことは罪となる。

~ウィリアム・ストリングフェロー~

【解説】 恐ろしいほど真実を突いた言葉です。偶像は、それを拝しないものの存在を許しません。金銭が拝すべき唯一の神になったとき、貧困は忌むべきもの、あってはならいないもの、なんとしても避けるべきもの―畢竟、貧乏であることは罪となるのです。その罪を逃れるために、人は悪しき知恵を巡らし、人をおとしめ、裏切ってまでも、金を求め、金に仕えようとします。それが“マモン”(富の邪神)の恐ろしさです。

 貧乏は決して罪ではありません。人は貧しさの中で、”生きる”ことの真の意味を考えます。生きることの大変さを知り、生き抜くことの知恵としたたかさを身に着けます。それにも増して、貧しさにあるからこそ、人の情けの有り難さを知り、それでも必要を備えられ、生かされている神の愛を、身をもって知るのです。

Where money is an idol, to be poor is a sin.-William Stringfellow

 

3.《行動が全てを語るのです》

私は、だいぶ前から信じるようになったわ。

人は、自分が言っていることの半分も本気では考えてない。

だから、人の話は無視して、その行動だけで判断するのが一番だって――。

~ドロシー・デイ~

【解説】 これもまた実に辛辣な人間の真実です。彼女の言っていることは少々“過激”ですが、でも、「人の言葉は、行動に現して初めて真実になる」という究極の真理を伝えるには十分ですね。でも、この言葉はそのまま自分に返ってくるのです。私は、人がしてくださった約束は、なぜかよく覚えています(ほかのことは片っ端から忘れるのに!)。そして、それをたとえ時間がかかっても守ってくださったときには、心から感謝しますが、守ってくださらないときは、それを“他山の石”にします。「私はどうか? 言ったことを責任を持って果たしているか?」と。かの日には、私たち一人一人は、神の前に立たされて、地上での生き方の申し開きをしなければなりません。誰の目にも明らかな罪は犯さなかったかもしれない。けれども、私が間違いなく主に問われるのは、このことです。「あなたは、自分の言葉に誠実だったか?」と――。

I have long since come to believe that people never mean half of what they say, and that it is best to disregard their talk and judge only their actions. – Dorothy Day

 

【FBギャラリー】No.97 「貧しき祈り」(我が身を重ねつつ…)