◆だから、優しくなさい◆

1. 《45年の探求の結論=少しの優しさ》

45年にもわたる情報収集と研究の結果、私が人々に伝えることのできるベストアドバイス(最善最高の忠告)が、「お互い、もう少し優しくありなさい」であるとは、いささか当惑させられることだ。

~アドラス・ハックスリー(20世紀イギリスの小説家、評論家)

【解説】 人生の真理を極めるために彼が費やした、なんと大変な時間と労力! その結果やっとつかんだ真理の、なんという単純さ! 彼ならずとも、これは当惑しますね。「なんだ、こんなものだったか」と――。でもこれは、それほど単純、容易であるゆえに、実はなかなかできないことなのですね。これを妨げているのは、人間の自己中心性です。妻の召天記念証し集でも触れましたが、妻を天に送ってからの3か月、私は「ああ、なぜもっと優しくしてあげられなかったのだろう。なぜありのままで受け容れてあげられなかったのか。いろいろ細かく注意したことなど、全く取るに足らないことだったのに。愛が足りなかった…」と、涙ながらの悔い改めの日々でした。あなたもどうぞ、この最も易しくて、最も難しいことに、“我が人生最大の課題”と心して取り組んでください。あなたの小さな優しさを感謝して受け止めてくれる人が、目の前にいるうちに――。

It's a little embarrassing that after 45 yers of research and study, the best advice I can give people is to be a little kinder to each other. - Aldous Huxley

 

2. 《教育が教えてくれないこと=自己愛》

長年にわたる教育を受けたにもかかわらず、

いまだかつて誰も、

どのように自分を愛するのか、そしてなぜそれが大切なのかを

教えてくれた人はいなかった。

【解説】 学校教育は、知識を教えます。卒業してからも、私たちはいろいろな知識を貪欲に吸収していきます。でもその中で最も欠けているもの、決して教えてくれないものは、「自分を愛する」ということです。何ができるとかできないとか、性格が明るいとか暗いとか、そんなことは一切関わりなく、この世界にたった一人しかいない“自分”という存在をいとおしみ、優しくしてあげること。この大切さを子どもたちが知っていたら、いえ、大人になってからでもいい、心から分かったら、生きることに絶望して自ら命を絶つ悲劇はなくなるはずです。そして、自分を愛するからこそ、人にも優しく、親切にしてあげることができるようになるはずです。いじめ、ネグレクト、DV、それらは全て、人を愛することの根源である自分自身を愛せず、憎んでいるからなのです。

なぜ自分を愛することがそれほどに大切で、必要なのか? それは、人間をお創りになった方が、その一人であるあなたを心底愛しておられるからです。あなたの命をかけがえのないほど高価なものとし、それを罪の滅びから買い戻すために、ご自分の命を捨てるほどに、いとおしんでおられるからです。それを伝えるのは、その愛を身をもって知った、私たちの務めです。

(イザヤ 43:4)

「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」

So many years of education yet nobody ever taught us how to love ourselves and why it’s so important.

 

3. 《全ての人には“傷”がある》

あなたの出会う人は、誰であれ、

あなたの知らない戦いを闘っているのです。

優しくしておあげなさい。

どんなときでも――。

【解説】 人の心は誰にも見えません。あなたに示す精いっぱいのほほえみの陰で、その人がどれほどの涙を流しているか、どれほど不安におびえているか、あなたには分かりません。それでつい、きつい言葉で、相手の非を責め、こちらの正当性を主張し、当然のようになすべきことを要求します。相手の心が見えないからこそ、何かを話す前に、「この人は今、泣いているかもしれない。心が痛み、苦しんでいるかもしれない」という、ほんの少しの想像力を働かせましょう。そして、たとえ100パーセント自分の言うことは正しいと思っても、“優しく”それを伝えましょう。それがイエス様のやり方です。イエス様を信じた全ての人は、主の優しいひと言に心を開いて、主のもとにひざまずいたのです。

Everyone you meet is fighting a battle you know nothing about. Be kind. Always.

 

【FBギャラリー】No.45 ボブ・バイアリー 「内緒話」