◆真に人間らしく生きるための4つのキモ◆

1. 《“裁く”ことは心の盲目》 人を裁くことは、私たちを盲目にしますが、愛は、心を明るく輝かせます。他者を裁くことによって、私たちは自らの悪に目をつぶり、神が私たちと全く同じにようにその人にも与えられた恵みにも、目を閉ざしてしまうのです。

~ディートリッヒ・ボンヘッファー~

【解説】 このような短い文章を読んだだけで、あのナチスの牢獄で、わずか38年の生涯を終えた彼が、いかに深い思索をしていたかに改めて驚かされます。それは単に神をより深く知る“神学”だけではなく、この一文にいみじくも示されているように、十字架の前に明るみに出される人の心についての、いつの時代にも光を放つ深い洞察に基づいた“人間学”でもありました。きっと神様が、そのあまりに早い強いられた死を惜しんで、彼の思索を深め、後代の私たちに残されたのでしょう。まさに罪ある人間は、“裁き”の中で生きています。あたかも裁き、裁かれて、孤独と痛みに耐えながら生きていくのが人生であるかのように――。けれど、人を裁くことは、自らの悪だけでなく、他者にも等しく与えられた神の恵みをも、見えなくしてしまう―この慧眼に、私たちは襟を正さなければなりません。実に裁くことは、己を誰よりも正しい者とし、他者を神の恵みに値しない落伍者とする、“自己中心”の罪の本質なのです。

(マタイ 7:1) 「さばいてはいけません。さばかれないためです。」

Judging others makes us blind, whereas love is illuminating. By judging others we blind our selves to our own evil and to the grace which others are just as entitled to as we are.

-Dietrich Bonhoeffer

 

2. 《人生には“思考”を止めるべきときが》

“頭脳”は、ずば抜けて優れた器官です。

一日24時間働き、

一年365日、休みなし。

それが誕生の瞬間から、続くのです――

あなたが恋に陥るまでは…。

【解説】 はい、最後の1行で笑えました? これはかなりエスプリの利いたユーモアですね。ここからあなたの心に浮かぶことわざは? そう、“恋は盲目”です。古来、あまたの人が恋に身を焦がし、一生を棒に振った人も、王位を捨てた人もいたわけですが、恋はいっとき、炎のように燃え上がっても、それを長続きさせることは至難の業ですね。でも、この面白い一節に対しては、私は同じ文脈でも、“愛は理性を超える”と言いたいです。健康、財産、学歴、家柄、それら全てがあなたの理性に「やめといたら?」とささやいても、その人が神様を信じ、あなたを信じ、心から愛してくれたら、人としての常識は守りつつも、一生に一度、頭脳の産物である“理性”を超えて、愛を実らせたらどうだろうと思います。かく言う私は、神様のあわれみとみ言葉による召しによって、そうさせていただいたことを、この世のどんな成功よりも感謝しています。

The brain is the most outstanding organ. It works 24 hours a day, 365 days a year from birth until the day you fall in love.

 

3. 《誤解が趣味な人からは離れよう》

あなたを誤解しようと固く心に決めている人に

自分自身を分からせようと、

無駄な時間と労力を使うことは断じておやめなさい。

あなたの周りを、

”学び、成長する“ことに心を開かれている人で囲ませるのです。

~ディ・ライズボロー~

【解説】 人には、”自分を分かってほしい“という強烈な願望があります。でも問題は、それを求める相手をしばしば間違えて、一度限りの人生、かなりの無駄遣いをするだけでなく、時には心のバランスも崩してしまうことです。この勧めの1行目、ちょっと笑えました? 自分では気づかなくても、確かにそう決意しているに違いないと思わせるような人が、実は圧倒的に多いのです! 開かれた、柔らかい心を持った人は、少し話せばすぐ分かります。知ったかぶりをせず謙遜で、あなたの話に興味と関心を持ってくれる人――。そういう人を見つけたら、こちらから進んで友になることです。良き友を持つことが、人生でいかに貴重な財産であるかを、あなたは身をもって知るようになるでしょう。

'Never waste your time & energy trying to explain yourself to someone who is committed to misunderstanding you. Surround yourself with people who are open to learning & growing

—Di Riseborough

 

4. 《愛に条件を付けない》

主は、このようなことは決して言われなかった――

「身分証を持ってさえいたら、飢えた人を養いなさい。」

「同国人でありさえしたら、裸の人に着せてやりなさい。」

「危険性さえなければ、旅人をもてなしなさい。」

「特に都合の悪いことがない限り、貧しい人を助けなさい。」

「自分と“同類”の人でさえあったら、あなたの隣人を愛しなさい。」

~ジェイムズ・マーティン S.J.~

【解説】 これは、明らかにマタイ25:35-40のイエス様の教えをモチーフにしていますね。この5つの主が言われなかったこと、行われなかったことは、ひと言で言えば、“愛に条件を付けなかった”ということです。現実には多くの心の闘いがあると思います。勇気も要ると思います。でも、イエス様が、そして主の心を我が心としたマザー・テレサをはじめ世界のあらゆるところで良き業をしている心あるキリスト者たちは、愛によってこの恐れを乗り越えた人々です。私たちはまず、「主がなされなかったことは、決してすまい」と心して、いろいろなハンディを負った人々に接するべきですね。

(Ⅰヨハネ4:18) 「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します。なぜなら恐れには刑罰が伴っているからです。恐れる者の愛は、全きものとなっていないのです。」

What Jesus never said: “Feed the hungry only if they have papers.””Clothe the naked only if they’re from your country.””Welcome the stranger only if there’s zero risk.””Help the poor only if it’s convenient.””Love your neighbor only if they look like you.” – James Martin, S.J.

 

【FB金曜ギャラリー】 ボニー・クック 「お花畑のある家」