◆他者の幸せを願う人生を送るための5か条◆

1. 《自分の死後に誰かが幸せになればいい》

“自分は、この木陰に憩うことはない”と知りつつ木を植える人は、少なくとも人生の意味が分かり始めたのだ。~タゴール~

【解説】 この19世紀のインドが生んだ詩人にして思想家の言葉は、あのルターの「もし明日世界が滅びると知っても、私は今日リンゴの木を植える」という言葉に通じるものがありますね。この言葉に描かれた人は、やがて自分の死後、疲れた旅人や愛し合う恋人など、多くの人が、生長したこの木の木陰で涼を楽しむ姿を心に思い描き、そのことのために、黙々と苗木を植えたのです。“他者の幸せのために生きる”。それは、神の人間創造の意志でもあります。そのことに目覚めたとき、私たちには、一度限りの人生をどのように生きるべきかが分かり始めます。本当の人生とは、自分の存在で、誰かが-未来の人も含めて-幸せになれる人生なのだということが――。

The one who plants trees, knowing that he will never sit in their shade, has at least started to understand the meaning of life. – Rabindranath Tagore

 

2. 《人が“憎しみ”を学ぶ前に愛を見せなきゃ》

他の人間を、皮膚の色や、素性や、宗教などで憎みながら生まれてくる人はいない。人を憎むには“習い覚える”必要があるのだ。そして“憎しみ”が学べるものならば、“愛する”ことも、教わることができるはずだ。何となれば、人間の心には、”愛”が、その真逆の”憎悪”よりも、より自然に芽生えるからである。

~ネルソン・マンデラ~

【解説】 世界を恐怖に陥れたIS(イスラム国)も、過激派のテロリストたちも、少年たちに徹底して“憎む”ことを教えて、殺人者に育て上げていったのです。「人を憎み、殺すことで、天国に行ける」と――。なんと恐ろしく、悲しい現実でしょうか。マンデラの言葉は真実です。生まれながらに憎しみを身に着けた人間は、ただの一人もいない。皆、憎むことを教えられたのです。だとすれば、キリストの十字架の愛によって、真実の愛を知った私たちが、身をもって、一番身近にいる人から、“愛”とは何かを教え示していかなければならないのではないでしょうか? 自分の小さな“愛”の行為で、人の心から、一つでも“憎しみ”を取り去ること―これもまた、私たちに託された”神は愛です”という証しなのです。

(Ⅰヨハネ 3:15,16) 「兄弟を憎む者はみな、人殺しです。いうまでもなく、だれでも人を殺す者のうちに、永遠のいのちがとどまっていることはないのです。キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです。ですから私たちは、兄弟のために、いのちを捨てるべきです。」

No one is born hating another person because of the color of his skin, or his background, or his religion. People must learn to hate, and if they can learn to hate, they can be taught to love, for love comes more naturally to the human heart than its opposite.

– Nelson Mandela

 

3. 《プラス志向の法則1: 傷ついて愛の分かる人に》

心が破れ、打ちひしがれた人は、

これ以上ないほど愛することができます。

一度でも“暗闇”の中にいた人は、

何であれ“輝くもの”に感謝するのです。

【解説】 これは、神様が、人間が罪の中に滅びてしまわないためにお与えくださった、“プラス志向”の性質です。私たちは、どんな逆境も、試練も、神のみ力に対する信仰によって、プラスに変えていくことができるのです。それは、“愛”も、“明るい人間関係”も、“健康”も、失って初めて知ったそのかけがえのない価値を、なんとしても取り戻し、さらに高めていこうとするからです。あなたは今、そのような痛みの中にいますか? どうぞ人生のマイナスを、挫折を、損失を、そのままで終わらせないでください。それを、全て神様にお委ねして、その中から“輝きのプラス”を生み出してください。自ら痛みを知った人の愛は、関わる全ての人の心を優しく包み、他の人の何倍、何十倍も、人の心の奥深くまで届くのですから――。

The broken will always be able to love harder than most. Once you’ve been in the dark, you learn to appreciate everything that shines.

 

4. 《プラス志向の法則2: 痛みを知るほどに、生きる喜びが増す》

知覚を強めるためには、払うべき“代価”があるのだ。私たちは、“痛み”に対して、より敏感になることなしに、”喜び”に対して、より敏感になることはできない。

~アラン・ワッツ~

【解説】 人生の様々な”痛み”は、その対極にある人生の“喜び”を知るために支払う代価であることを覚えましょう。モノだけでなく、私たちは心に感じる全ての知覚についても、ある知覚の本当の価値を知るためには、その対極の知覚を知るという“代価”を支払わなければなりません。その“負(マイナス)”の値が反比例して、“正(プラス)”の価値を倍に高めるからです。全ての心の“痛み”の背後には、人間の自己中心の”罪”が横たわっています。そのことを、復活の主に出会って忽然と知ったパウロは、キリスト者迫害の罪の負い目を、“罪びとの頭”として生涯身に負いながらも(Ⅰテモテ1:15)、いえ、負ったがゆえに、神の恵みの深さ、広さを、ためらうことなく、こう宣言することができたのです。

(ローマ5:20)

「罪の増し加わるところには、恵みも満ちあふれました。」

There is a price to be paid for every increase in consciousness. We cannot be more sensitive to pleasure without being more sensitive to pain. – Alan Watts

 

5.《あなたがハッピーなら、私もハッピー!》

私を「イカれてる」と呼んで結構。

でも私は、人が幸せで、うまくいってるのを見るのが好きなんだ。

人生は“競争”じゃない。

“旅”なんだよ。

【解説】 自分の死後の他者の幸せを願って始まったこのこの5か条、締めもこれです! 一度限りの人生が“競争”だとしたら、いつも人に先を越されるのを恐れて、しゃにむに頑張って、時には他人を蹴落として、先へ先へと突き進まなきゃなりません。疲れますよねぇ。時には心が無性に渇いて、むなしくもなります。でも、違う。神様がお与えくださった人生は、“旅”です。行く手は道二つに分かれていますが、”道であり、真理であり、命であるお方“(ヨハネ14:6)を知った私たちにとっては、愛する主が場所を備えて待っていてくださる天国への一直線の旅です。そしてこの旅路は、同伴者と、愛し合い、むつみ合って歩いてこそ、楽しさが増すのです。私たちは、こんな欠けだらけの者をとことん愛してくださった神様を知って初めて、他者の幸せを、心から喜べる者に変えていただけました。そして、そのために喜んで犠牲を払える者にしていただけたのです。私は今、生きるモットーを聞かれたら、迷わずに、”他者のために生きる“と答えます。私もまた、ほんとに、あなたの幸せと成功を見るのが好きなのです!

Call me crazy but I love to see people happy and succeeding. Life is a journey, not a competition.