◆受難週霊想◆

―十字架にお架けなさい―

 

もしあなたに秘めた悲しみがあるなら、

重荷や失ったものがあるなら、

痛みでうずくほど癒やしを求めているなら…

それを十字架にお架けなさい。

 

もし思い煩いが あなたの眠りを奪い、

幾度となく寝返りを打たせるなら、

あなたの心が重く耐えがたいつらさを感じているなら…

それを十字架にお架けなさい。

 

信仰の妨げになるものや

ふと心をよぎる疑いの全て、

応えられることのなかった祈りの全て…

それを十字架にお架けなさい。

 

なぜならキリストは、私たちの“破れ”を負われ、

私たちの試練を勝利に変えるために、

愛を込めてその貴い代価を払ってくださったからです。

十字架の上で御身をつるされて…。

 

~リサ・エンゲルハート~

 

【解説】 著名なセラピストであり、女流作家でもあるリサ・エンゲルハートの”受容による癒やし”の哲学の根底には、キリストの十字架の愛が息づいています。この受難週にふさわしい一編の詩にも、それはよく表れていますね。原文の文学的な修辞も優れていて、Hang on the Crossの“Hangハング”というキーワードには、「架ける」「つるす」という2つの意味があるのですが、このイラストで分かるように、私たちの重荷を衣類のように十字架に「架けて」解き放たれなさい、という勧めと、最後の1行にあるように、私たちが架けた全ての罪の重荷を、イエス様が十字架の上で「つるされる」ことによって、全て支払ってくださったと結んで、この2つの意味を巧みに掛けていますし、最後の「試練から勝利へ」は、“turn Trials to Triumph トライアルからトライアムフへ”と、韻を踏んでいるのです。

明日はその十字架の金曜日、“主の十字架のお苦しみは我がため”と感謝して、今あなたが抱えておられる重荷のヴェールを、一枚、一枚、十字架にそっと架けてしまいませんか?