◆正しい”あなたと私”の関係◆

あなたの“忠節さ”を“隷属”にしてしまってはいけません。

“離れていくべき時”を知り、

“自尊心”を妥協させないことです。

 

【解説】 厳しいようですが、これ、恋人同士、夫婦、友達、全てに通じる人間関係の“鉄則”です。この根底にあるのは、正しい意味でのセルフ・リスペクト“自尊心”です。“自尊心”と、人間関係を破壊する“自己中心”とは違います。神様に似せて創られた自分自身を尊び、愛することは、聖書の勧めるところですが(エペソ5:29他)、罪が、それを“自己中心”に変え、正しい自尊心をゆがめてしまったのです。

 私たちは、一生の間に、実にいろいろな人々と出会い、関係が生じますが、その中の何人かは、とても親しい関係に進んでいきます。私たちは、愛する人に対しては、自分の全てをささげて、忠節さを示そうとします。けれども、相手を思うあまりに自分を見失ってしまったら、あなたの“忠節さ”は、自分を殺して相手にひたすら仕える“精神的奴隷”の姿に変貌してしまっているのです。そこからは、神の前に対等な“あなたと私”の関係は決して生まれません。人生のどんな局面に立たされても、この“神にある己”をしっかりと保ちつつ、人と親しい関係をお結びなさい。けれど、相手がそれを尊重せずに、人間的に“支配”しようとするときは、あなたが勇気をもって離れてゆくことです。一度限りの短く貴重な人生、その“離れる時”を逃してはなりません。

 最後に、私たちが正しい意味で“隷属”すべきお方のことを考えましょう。私たちが“しもべ”として仕えるべきお方は、この地上でただ一人、主イエス・キリストだけです。なぜならこのお方は、私たちを決してしもべとは思わず、“友”と呼び(ヨハネ15:15)、それどころか、汚れた私たちの足を、“しもべ”として洗うことによってその愛を余すところなく示してくださり(ヨハネ13:1-5)、最後にあの十字架の上で完成させてくださったのですから――。