◆常に”対話”を選ぶのです!◆


“対話”とは、お互いの間でなされる会話であり、知識と情報の交換です。
それは自分の意見を相手と分かち合うことであり、自己同一性(自分自身であること)を失うことなく、相手を尊敬することです。
“対話”とは、相手を不快にするあらゆる言動は脇へ押しやり、注意深く聴き入り、しとやかに批判するすべを学ぶことです。
“対話”とは、人間同士、宗教や文化の間で、お互いを高め合い、豊かにするために交わされるものです。
“対話”を選ぶのです!

 

【解説】 一つ一つ、“対話”の持つまことの意味を、自分自身のこととして味わいたい言葉ですね。
2016年も間もなく終わり、新しい年を迎えようとしていますが、この年はどんな年だったでしょうか? 対話よりも、暴力や武力に訴えて、自分の権利、自社の利益、自国の権力を拡大しようとする人間のエゴが、私たちの周囲にも、国内にも、世界にもむき出しにされた現実を、深い悲しみと共に思い起こすことです。このエゴがまかり通るところ、その陰には、愛する家族を失い、住むところを失い、飢えと死の恐怖におびえながら、安住の地を求めて地上をさまよう数え切れないほどの犠牲者が出ます。そして、彼らを迎え入れるべき国の人道上の決断にも、自国優先のエゴが頭をもたげてしまうのです。
そのような現実のただなかで、著者が最後に、Choose「選ぶ」ことを提唱しているところに、大きな意味があります。話し合いか、武力による対決か――。前者のうちにしか、人間同士の、そして人類の平和共存の道はないのです。それを正しく選び取る英知を、私たちは神様から与えられているはずです。だから、「選ぶ」のです。どんなときでも、どんな苦渋の選択を迫られるときでも、暴力・武力ではなく、“対話”の道を!


Dialogue is a mutual conversation, an exchange of knowledge and information; sharing of one’s opinion and respecting the other without loosing one’s self-identity. Dialogue means to put aside any offence and learn to listen carefully and to criticize gracefully. Dialogue is an enriching exchange between peoples, religions and cultures. Choose for dialogue!