◆曲解された真理の災い◆

 

私は、つらつら考えるのだが、“ねじ曲げられた福音”ほど、人を混迷に導く重い責任のあるものはない。

 

人を邪道に導く真理は、概して、誰もが誤りと認める教義よりもたちが悪いものだ。

 

 

 

【解説】 これこそ“羊の皮をかぶった狼”(マタイ715)ですね。最初から狼と分かっていれば、誰も警戒して近づきません。でも何の害もないどころか、おとなしく、人懐こく、そしておいしいチーズのもとになる乳も出してくれる羊に姿を変えてやってくれば、私たちは容易にだまされてしまいます。そして気がついたときには、抜き差しならない破滅の泥沼にはまり込んでいるのです。このような異端は、それこそ様々な“羊”に姿を変えて、キリスト教の歴史に登場してきましたが、今も中国から、日本に押し寄せています。上記の訳で、“ねじ曲げられた”“邪道に導く”と訳した原語は、同じpervertパーヴァートという言葉ですが、この言葉の重みを考えながら、まず自ら心して避けると共に、愛する友にも正しい真理を伝えなければなりません。そして、不幸にして今、その渦中にある人が、一日も早くその誤りに気づいて立ち返るよう、祈りましょう。

 

 

 

There is nothing under heaven, I conceive, more liable to lead men astray than a perverted gospel. A truth perverted is generally worse than a doctrine which all know to be false.