◆泣かないイエス様なんて…◆

 

決して泣いたことのないイエスとやらに、私の涙を拭い去ることなどできるわけがない。

 

 

 

【解説】 “泣かない”人は、聖書の勧める“泣く者と共に泣く”(ローマ12:15)ことのできない人、人の心の痛みが分からない人です。もし私たちの主イエスが、そんな冷たい方だとしたら、こちらから願い下げですね。でも、スポルジョンの原文は、Jesus の前にちゃんと不定冠詞aを付けています。これで意味は“イエスとか名乗る者”、その他大勢のイエスの中の一人(当時、”イエス”はありふれた名でした。)、今の私たちから言えば、“仮にそんなイエスがいるとすれば”の、実在しない“仮定のイエス”です。聖書の語る、確かに人としてこの世に来られ、私たちの間に住まわれたイエス様はどうだったでしょうか?…泣かれたのです!

 

主を拒み、やがてローマに滅ぼされる運命のエルサレムと、イスラエルの民のために;

 

(ルカ 19:41,42 「エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエスは、その都のために泣いて、言われた。『おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。…』

 

そして、愛してやまないベタニヤの三きょうだい、弟ラザロの死を悲しむマルタとマリヤのために;

 

(ヨハネ11:35,36 「イエスは涙を流された。そこで、ユダヤ人たちは言った。『ご覧なさい。主はどんなに彼を愛しておられたことか。』」

 

これが私たちのイエス様です。み霊としてあなたの内に生きておられる主は、あなたの涙の一粒一粒を全てご存じです。そして、その涙をそっとぬぐい取ってくださるのです。「私はあなたのために命を捨てた。もう泣かなくていい。私が代わりに泣いてあげよう」とおっしゃりながら――。

 

 

 

A Jesus who never wept could never wipe away my tears.