◆福音がフルに受け入れられたら◆

 

福音が、全世界を通してくまなく受け入れられたら、全ての奴隷制と全ての戦争は一掃されることであろう。全ての酒浸りも、社会悪も跡を絶つであろう。実際のところ、福音が取り除くことのできない道徳的な冒涜行為はもはや想像もできなくなるであろう。身体を損傷させる悪も、それらの多くは罪に付随して起こるのだから、大いに軽減されるであろうし、その中のあるものは、永遠に廃止されるであろう。

 

 

 

【解説】 この一文を読んだ私たちの反応は、現実のおぞましさを考えて、悲観的になるか、やがてこれが成就することを考えて希望を託すかのいずれかでしょう。私は、そのいずれも否定できない正常な反応だと思います。

 

現実には少しもそうなってはいないどころか、スポルジョンの生きた1世紀前よりも、さらに状況は世界的に悪化しています。それほどに、神に背いた人間の罪の結果は深刻なのです。そして聖書は、終末に向かって、人間の悪は満ちると預言していますので、この事実に悲観はしても、絶望することなく、神様の救いのプロセスの中で、冷静に受け止めなければなりません。けれども忘れてはならないことは次の2つです。1つは、”福音には、究極において、世界を一新する力がある”という真理に対する、揺るぎない信頼です。そしてもう1つは、その福音の宣教を、神様は弱さと欠けだらけの私たちに委ねられたという厳粛な事実です。イエス様は、昇天なさる時、「私は全世界に出ていって、福音を宣べ伝えよう」とは言われず、「(あなた方が)全世界に出ていって、福音を宣べ伝えなさい」と言われたのです(マルコ16:15)。この全世界”は、あなたの隣の“一人”から始まります。神の国は、どんなときにも、“からし種一粒”から始まるのです。ですから私たちは、この福音の力に信頼しながら、自分の隣の“あの方”に、今日も、明日も、祈りを込めて証しの業を続けてまいりましょう。

 

(Ⅱテモテ 4:2 「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。」

 

(Ⅰコリント 15:58 「ですから、私の愛する兄弟たちよ。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは自分たちの労苦が、主にあってむだでないことを知っているのですから。」

 

 

 

The gospel, if it were fully received through the whole earth, would purge away all slavery and all war, and put down all drunkenness and all social evils; in fact, you cannot conceive a moral curse which it would not remove; and even physical evils, since many of them arise incidentally from sin, would be greatly mitigated, and some of them for ever abolished.