◆天には入国制限あり◆

 

ああ、あなた、もし罪あるまま新生していない人が、天に入れるとするならば、私は今一度、ホィットフィールドの言い古された言葉を申し上げたい。「その人は天ではあまりに居心地が悪くて、神様に頼み込むでしょうな。『どうか俺を、避難のために、地獄に“天下り”させてくれ』とね。」

 

 

 

【解説】よくもこういうジョークを考え付くものですね。“天がどうにも居心地が悪い”というのも笑わせますが(原語はunhappy=不幸、不運、憂鬱、惨め、不満ですから、ひと言にまとめてこう訳してみました。)次の「地獄に避難する」というのがまた笑える。罪あるままでは、天の”聖さ”は、耐えられない拷問なんですね。run down(原意:走り下る)を訳すに当たって、「天から地獄へ急直下、あ、これがほんとの“天下り”だ」とひらめいて、一人悦に入っています! でも、スポルジョンは、盟友ホィットフィールドのそんな皮肉の効いたユーモアを引き合いに出しながら、イエス・キリストの十字架と復活を、我が罪のためと信じ、受け入れることが、天に入る”絶対条件”であることを、改めて強調しているのです。今日のキリスト受難日、この入国資格をすでに得ている恵みを感謝しつつ、まだ得ていない愛する方々のために、十字架のみ前にぬかずいて、祈りを新たになさいませんか?

 

 

 

Oh! sirs, if the unregenerate man could enter heaven, I mention once more the oft- repeated saying of Whitfield, he would be so unhappy in heaven, that he would ask God to let him run down into hell for shelter.