◆一緒に座ってください◆

 

「あなたは、これを直さなくていいんです。ただこちらに来て、私と一緒にしばし座っていてくれさえしたら。」

 

~クリスティン・マリー~

 

【解説】 見れば、かなり古ぼけて、木もところどころ腐って溝のできたベンチ。ちょっとのけぞれば、脚が折れてそのままひっくり返ってしまいそうな…。でも、直すことなんて要らない。ただ、ほんの少しだけ、私と一緒にいてください。 ――これ、考えると、何やら全ての人の心の声に聞こえませんか? “孤独”という文字の影が、心の周りを覆っているような現代人の、心の奥底からの叫び声が…。 「私の抱えている問題はこれです。(彼の、彼女の手の中には、病気、失業、失恋、離婚、育児、人間関係…などの様々な問題が。)でも、解決してくれなくていい。助けてあげようなんて思わなくていいんです。ただ、じっとそばにいてください。そしてもしその気になったら、ちょっとの間、ただ黙って聴いていてくださいませんか? それだけで、私はうれしい。そして、きっと心がちょっぴりでも軽くなります。もう少し頑張ってみようって勇気が出ると思います。だって、あなたのような方がまだ私にはいたんですから。」――そんな思いが心をよぎりませんか? 誰かの、そんな人になってあげたい…。そんな思いに駆られるのは、私だけでしょうか?