◆本当に幸せな人◆

 

本当に幸せな人とは、回り道をしていても、途中の景色を楽しめる人です。

 

 

 

《文語訳聖書ふう訳》

 

幸いなるかな、迂回路の景色を楽しめる人。

 

その人は無益の中にも益を見いださん。

 

 

 

【解説】 はい、この一文は、言うまでもなく“人生の旅路”を踏まえていますね。“回り道”とは、“遠回りの道”、目的地からは遠くなり、そこへ着くまでには、時間も、エネルギーも、無駄に使ってしまう道です。そしてそれは人生に付き物なのです。企業などの組織の中で働く人にも、「なんで私がこんなところで、こんな仕事をしなきゃいけないの?」と思うようなことが、1度や2度は必ずと言っていいほど起こるものです。時にはそれが数年に及ぶことも。大切なのは、そのときの“心の持ちよう”ですね。不平不満の中で惨めな日々を送るか、置かれたところで、そこにしかない”幸せの種”を見つけて、心から感謝して楽しい毎日を送れるか。――そこに”幸、不幸”の分かれ目があるというのです。私など、もうそれほど長くない人生、1分でも無駄にしたくない人間で、そんな事態になると、人生を大損したような気になるのですが、結局、心のゆとりがないんですね。そんな自分の人生を、私はこう名付けています。「生き急ぎの人生」! でも、そのせいで、多くのすばらしいもの、美しいものを見逃しているかもしれません。そんな自戒も込めて、文語訳の意訳も試みてみました。

 

「神様、“遠回りの道も、神様が導かれた道”と信じて、その時でなければ永遠に楽しめないかもしれないものを、心からエンジョイできる者にしてください。アーメン。」

 

 

 

A truly happy person is one who can enjoy the scenery while

 

 on a detour.